マイナンバー制度が転職活動に与える影響は?求職者のリスクは?

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日本は国全体として個人情報保護にシビアになっていて、労働市場や転職市場にも影響することが多々あります。

求職者が転職活動をする場合、履歴書や職務経歴書に氏名や住所、家族状況など他人にはあまり知られたくない機微情報を記載し転職エージェントや企業へ提出します。

個人情報が記載された履歴書や職務経歴書はまず転職エージェントに先に提出することになるのですが、転職エージェントでは個人情報の取り扱いに対して、企業へ推薦する際に利用し、転職支援以外で利用しないということや外部に同意なく情報提供しないとしています。

求職者は、転職エージェントとの個人情報保護同意契約にあまり興味を持っていないことが多いのですが、個人情報保護は求職者が思う以上に神経質な内容になりますので、内容の確認はしておいた方が良いです。

転職エージェントのなかには、または、その他転職サイトなどの転職方法の場合、個人情報保護同意契約を取り交わさない場合もありますが、求職者は自分から転職エージェントなどに確認を取るようにしましょう。

個人情報の最近の主流はマイナンバーですが、マイナンバーについてどこまで詳しい内容を知っているでしょうか。

転職活動には全く関係がないという認識を持っている人、または、マイナンバーを詳しく知らないという人の方が多いのですが、求職者が行う転職活動や転職にはマイナンバーが関わることもあります。

今回はマイナンバーの概要説明を含めて転職活動や転職にマイナンバーがどのような影響を与えるのかご紹介します。

知っていれば事前に対応策を検討し実行することはできますが、知らなければ、単純に『知らなきゃ損!』ということになります。

実際に転職活動や転職でマイナンバーによって転職にマイナス的な影響を受けた求職者もいますから、注意して頂きたいことです。

ちなみに、マイナンバーに関する今回の情報は転職エージェントやその他の転職方法でも教えてくれないことです。

マイナンバーってそもそも何?

『マイナンバーって何?』という求職者が多いので、マイナンバーの簡単な説明から今回の話を起こしていきます。

マイナンバーとは、求職者の個人情報をデータ化して各種行政手続きを簡単にする制度です。

求職者は個人単位で必ず番号が振られて、その番号は一生涯変わることのない自分だけの番号になります。

マイナンバーにはどのような情報がデータ化されているかと言いますと、氏名や住所はもちろんのこと、本籍やどこで生まれたか、どのような社会保険の加入履歴かという過去の情報のほとんどが含まれています。

転職活動や転職に出生地や本籍地などの情報は特に支障はないのですが、問題は社会保険の加入履歴です。

マイナンバーの社会保険の加入履歴と転職活動や転職には非常に重要になります。

求職者個人としてはマイナンバーを転職活動や転職で利用して自分にメリットがある活用方法はゼロですが、採用する側である企業にとってはかなりメリットがあるものです。

マイナンバーは求職者側にとって有利なことではなく、どちらかと言えば転職エージェントや企業にメリットがあるものです。

後述でより詳しくこのあたりを説明しますが、触りだけここでお伝えします。

これまで日本は税と社会保障が分離していて、企業が社員を採用した際に、各行政にそれぞれの手続きを行う必要がありました。

この手続きは、人事を経験したことがある求職者なら分かるはずですが、必要書類も多く提出手続きもかなり面倒です。

また、行政側も税とそれぞれの社会保障が分離しているため、同一人物であるかどうかを確認することができてないため、ミスや漏れが多かったです。

ミスや漏れの典型が『消えた年金』です。

税とそれぞれの社会保障が分離していると、求職者は特に問題ないのですが企業と行政が非常に手間であるため、その手間を簡略化する目的でマイナンバー制度を作ったのです。

ここまでがマイナンバーの説明になります。

より理解しようとするともっと細かい仕組みになっているため説明が必要になりますが、今回はここまでにさせて頂きマイナンバーと転職がどう関係し、どのような影響を求職者に与える可能性があるのかにフォーカスします。

マイナンバーで転職前の年収がバレる

求職者は転職を機に年収アップを希望しています。

だれしも生計維持、向上のために仕事をする訳ですから当然のことですので、この点だけを見れば全く違和感はありません。

ある意味で、『求職者のあるある話』のひとつになっていますが、『転職を機に年収アップさせる方法として、現職や前職の年収を盛る』というやり方があります。

このやり方は、恐らく一度は耳にしたことがあるやり方かもしれませんが、マイナンバー制度が開始されるまでであれば、この転職時に年収を盛る話は通用するやり方でした

と言うのは、転職エージェントや企業は求職者が現職や前職でいくらの年収を得ていたのかは、現職や前職に直接聞かない限り知ることができないことだからです。

しかも、求職者に黙って現職や前職に確認することは個人情報保護法に違反しますから求職者からの同意というプロセスが絶対条件です。

転職エージェントや企業がこのように現職や前職に求職者の情報を確認することを転職市場では前職照会と言います。

企業からすると求職者の前職照会をするためには求職者の同意が必要になり、結構面倒なのです。

前職照会するとして、求職者に同意を求めたとすると、その求職者は『企業は自分を信用していない。それなら辞退しよう。』ということになり採用活動に悪い影響しか与えません。

求職者も疑われている、または信用されていない企業に快く転職しようとは思わないでしょう。

このようなことから前職照会は企業にとってハードルが高いことですので、行う企業は少なくなっています。

ですので、これまでは前職照会のリスクがほぼゼロに近かったため現職や前職で得ていた年収を盛るというやり方が通じていたのです。

しかし、マイナンバーにより、このやり方は通じません。

なぜかと言えば、マイナンバーは社会保険の加入履歴をマイナンバーで確認することができ、その社会保険には標準報酬月額という仕組みがあり、そこで発覚します。

社会保険とは主に健康保険や厚生年金保険のことを指し、標準報酬月額とは求職者ごとに月給と照合して、その月収に見合う社会保険料を決める要素のことを言います。

例えばですが、月収100万円の求職者と月収20万円の求職者が同じ社会保険料だったら、不公平感はあるでしょう。

そこで国には約50テーブルを用意して、一定の給与単位で区切り不公平感がないように得ている月給により社会保険料が変動する仕組みを取っています。

マイナンバーに含まれる情報にこの内容も含まれていますので、求職者が履歴書に盛った年収を記載し、希望年収を現状維持として年収アップを狙っても企業は採用後の入社手続きですべてを把握できますから発覚します。

選考途中に転職エージェントからもマイナンバーの提出を求められることも少しずつ増えてきていますが、その理由は、転職後に求職者が盛った年収のせいで不幸な結末を迎えないようにするための配慮です。

転職エージェントは求職者が申告する情報に関して全く疑うことはありませんが、転職後に不幸になっている求職者が増えつつあるため、そのリスクを転職活動の段階から排除しようとしています。

求職者にとって現職や前職よりも年収が上がるということは喜ばしいことではありますが、年収を盛って年収アップを勝ち取っても転職後にマイナンバーにより必ずばれますから、やめましょう

もし、盛っていると発覚した場合は、実際に得ていた年収で再契約となったり、最悪の場合は入社取消になってしまいます。

再契約ならばまだましで、入社取消となれば、現職をすでに退職してしまっているため、無職状態で再度、転職活動をしなければならないということになります。

職歴もマイナンバーで分かる!

年収アップを狙うことのほかに求職者のなかには自分の職歴を盛る人もいます。

『そんなにいないでしょ!』と思われがちですが、実は結構います。

特に年齢が若い求職者で、第二新卒に含まれる求職者にはこの傾向が目立ちます。

転職市場は、求職者の経験や実績を買うという基本構造はありますが、もうひとつ採用する企業からすると求職者を選考する際に『長く就業してくれそうかどうか』という判断基準も持っています。

企業からするとこの選考判断は当然のことで、いかに優秀な求職者であっても、転職後にすぐ退職しそうな場合、採用しても意味がないからです。

優秀な人材で、かつ、長く在籍して活躍してくれそうな人材が企業は欲しいのです。

企業はこの判断をどこで見極めるかと言えば、職歴と1社ごとの在籍期間です。

職歴が多ければ多いだけ転職したということになりますし、1社あたりの在籍期間が短い場合は、長い就業は見込めないという判断になります。

参考情報として企業が最も敬遠したいと感じ絶対に採用しないパターンは、職歴が多く1社あたりの在籍期間も短いという場合です。

20代前半で職歴が3社ありそれぞれを1年前後で退職しているような求職者を企業は絶対に採用しようとはしません。

求職者も転職エージェントなどからこの情報は知っていたり、または、だれに聞くこともなく何となく自分の想像の範囲として知っています。

そうなると、職歴が多い、1社あたりの在籍期間が短い求職者は自分のこれまでの経歴が今の転職活動では不利だということで、職歴や在籍期間を変えて転職エージェントに履歴書や職務経歴書を提出し転職支援を受けたりします。

転職エージェントからの転職支援を受けている段階では経歴を盛っているということは発覚することはほぼないのですが、問題は企業の選考中や転職後です。

特に転職後は先ほどご紹介した年収と同じように120%の確率で発覚します

発覚する理由はもちろんマイナンバーです。

マイナンバーには社会保険の加入履歴も含まれているとお伝えしましたが、職歴=社会保険加入履歴になります。

求職者は現職や前職で正社員として働いている場合は、必ず社会保険に加入しているはずです。

これは例外なく絶対です。

企業は求職者が在籍期間中に毎月社会保険料を代理で行政へ納付しているのですが、この情報すらマイナンバーに記載されています。

マイナンバーの目的の一つに不正を防ぐということもあり、まさに転職活動においての職歴不正をマイナンバーにより知ることができるということで目的は果たしているということになります。

マイナンバーは求職者が思う以上に恐ろしいものですから、選考中に知られなくても転職時の入社手続きのタイミングで必ず発覚してしまいます。

マイナンバーは転職時に必須提出なのか?

求職者のなかには、マイナンバーがそこまで自分にとって不都合な存在ならば、転職時にマイナンバーの提出がない企業へ転職すれば良いのではないか?と思うかもしれません。

確かにマイナンバーの提出を必須にしていない企業もありますが、その数はかなり少なくなっていますので、提出を必要としない企業だけに絞るということは転職活動の幅を狭くするということでオススメしません

このご時世、企業の多くは自社の入社手続きの簡素化を目的にしてマイナンバーの提出を必須にしている企業の方が多いですから、必須ではない企業はありますが必須だと思っておいて良いです。

転職エージェントのなかにもマイナンバーの提出を求めることが少しずつ増えていますので、転職活動や転職とマイナンバーは強い因果関係があると考えてください。

マイナンバーの提出を必要としない転職エージェントが良いと考えているのであれば、大手の転職エージェントがオススメです。

リクルートキャリアなどの大手の転職エージェントであれば、マイナンバーの提出はありませんし、求人も豊富にあるのでこれまでと同じ環境で転職活動をすることができます。

マイナンバーは転職時に重要になる

マイナンバーが転職活動や転職にどのような影響を与えるか理解できたはずです。

年収アップのために、または、自分の転職活動をやりやすくするために事実とは違うことを書いても昔は通じていたのですが、マイナンバーという国の新しい制度により全く通用することはなくなりました。

マイナンバーの仕組みとマイナンバーが求職者である自分、転職活動や転職にどのような影響を与えるか知っていれば、内容を変えて履歴書や職務経歴書を転職エージェントなどに提出することはないはずです。

今回の情報を参考にして転職活動のやり方などを今一度考えて頂きリスクない転職を実現させてください。